トレーニングプランの組み方-ベースブロック編①
今日は、トレーニングプランの中で最も重要な、ベーストレーニング(基礎構築期間)についてお話していきます。
通常、トレーニングプランを考えていくときには、
・ベース構築期間
・強化期間
・レース期間(調整期間)
以上の、大きく分けて3つの期間に分けてトレーニングを進めていきます。
これを期分け、英語ではピリオダイゼーションと言います。
期間ごとに、何を向上させていくのかを明確にし、効率的にパフォーマンスアップを向上させる非常に有用な方法です。
それぞれの期間で、目的、役割が大きく変わりますが、ベース構築期間は、体の基礎的な能力向上期間となります。
持久系のスポーツの場合、パフォーマンスは基礎能力である、
スピード
有酸素能力
筋力
テクニック
のかけ合わせで決まります。
ベースブロックではそれぞれの要素を個別にしっかりとレベルアップをさせる期間となります。
車に例えるなら、いい車を作り上げるために、まずはタイヤ、エンジン、シャーシなど、パーツ毎に開発を行いそれぞれにいいものを作っておくというイメージです。
また、これまでのシーズンを通して自分の苦手な領域を向上させるのに適した時期でもあります。
この苦手な領域とは、具体的には長めの出力が苦手(2-5分の領域は得意だけど8-10分は苦手等)といった運動領域の場合もあれば、トライアスロン等の複数種目を行う方は、スイムが苦手、等の種目単位での問題がある場合もあるかと思います。
レースまで時間があるこのブロックは、苦手分野に思い切ってチャレンジしやすい時期でもあるので、しっかりトレーニングに取り組む必要があります。
・程度はあれど、中距離~長距離とトレーニングの組み方・内容に大きな差はない ・前年のパフォーマンスを参考に、苦手な部分の強化も行う
パフォーマンスを構成する要素を考える
パフォーマンスは基礎能力のかけ合わせで決まると説明しました。
種目や距離ごとに考えていきましょう。
中距離種目の場合
ランニングで言えば、トラックの800mや1500m、水泳で言えば200mや400m等の2-5分程度の競技時間のものを中距離と呼ぶことが多いです。
これらの種目は、高いスピードを少し長い時間(2-5分程度)維持する必要があります。つまり、これらの種目はスピード×有酸素能力によってパフォーマンスが決定します。
長距離種目の場合
長距離種目の中でもランニングのトラック種目の5000mや10000mや、水泳の1500m等、1時間以内で終わる種目と、ハーフマラソンやマラソンなど、2時間を超えてくるような超長距離種目では、同じ長距離という括りでも求められる能力は変わってきます。
上記の、10000m等のトラック種目の場合、比較的高いスピードと、有酸素能力が求められる種目です。
つまり、中距離と同じようにスピード×有酸素能力によってパフォーマンスが決定しますが、距離が長い分有酸素能力がより重視されます。
マラソン等の超長距離の場合、有酸素能力と、長時間の運動に耐える筋肉の耐久力が必要となります。
つまり、マラソンとは有酸素能力x筋力=「筋持久力」がパフォーマンスを決定します。
また、上記は体の構造的な点に着目していますが、体を動かすエネルギーをどのように生み出し、活用していくのかというのもパフォーマンスに大きな影響を与えるので、この代謝の部分も考えながらトレーニングを行う必要があります。
ここまで、
・ベースブロックとはどういった目的を持つトレーニング期間なのか
・各種目はどのような能力の掛け合わせでパフォーマンスが決定するのか
を説明してきました。
いかがでしたか?トレーニング経験がある方だと、自分が行う種目に当てはめて考え、こんな練習をしていれば基礎能力があがるかも!と色々とトレーニング計画が思い浮かんでいる方もいるのではないでしょうか?
次回のブログでは、有酸素能力や、スピードといった基礎能力を上げていくためのトレーニング方法やメニューはもちろん、計画の立て方から進め方まで解説していきますので、お楽しみに!